大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

映画『あの日のオルガン』

3/4(月)墨田区曳舟文化センターに於いて映画「あの日のオルガン」の上映会が行われた。この映画は、太平洋戦争末期、東京から疎開先の埼玉県で53人の子供たちとともに「疎開保育園」で奮闘する保母たちの姿を描いたもので、実話を基に制作された。

上映会が開かれた曳舟文化センターの上映前の様子

 

疎開したのは品川区の戸越保育園と墨田区の愛育燐保館の二つ。映画は2019年に公開され、墨田区はモデルになった保育園が存在した関係で、墨田区上映会実行委員会を立ち上げ、墨田区共催で今回の上映会が実施された。

タイトル

 

ストーリーは、戸田恵梨香演じる保母主任・板倉楓と、大原櫻子演じる保母・野々宮光枝を中心に、疎開先でのさまざまな難題に立ち向かう。子供たちの前でオルガンを奏でて共に歌う光枝の姿に戦争を忘れる一瞬があったり、東京大空襲で子供たちの家族や両親が亡くなったりする。そうした現状に、疎開は正しかったのか、と楓は自問自答する。

あの日のオルガンのチラシ

 

やがて終戦を迎え、孤児となった子はいるものの、53名の幼い命を守ったということで保母たちは安堵する。俳優陣の熱演に、胸が熱くなるシーンがたびたびあった。特に、ちょっと不器用な光枝だが、子供たちの心をつかむのが上手で、みっちゃん先生と子供たちから慕われ、一緒になって唄ったり遊ぶなどのみずみずしい演技に、拍手を送りたい。ただ、タイトルにもなったオルガンのエピソードが、足りなかったように思う。

監督・脚本 平松恵美子

保育園があった東京は空襲で焼けた(チラシより)