大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

2022-07-01から1ヶ月間の記事一覧

濁りを味方に

水中撮影で、水の濁りは大敵。ちょっと離れただけでも鮮明に撮れない。そこでどうしてもマクロレンズでの近接撮影になるが、あまりにも当たり前すぎ。濁りを逆手にとることも必要。濁りの原因は、季節的なものや大雨、潮の満ち引きなどで、緑っぽくなること…

ガラスハゼの生態

ハゼ科のガラスハゼは全長約3cmで、房総半島以南の太平洋、インド洋に分布している。住みかは刺胞動物のムチカラマツで、生涯そこで過ごす。ムチカラマツとは直径約1cm、長さ2~3mある1本の枝状で、海底から上方に伸びている、表面には触手が密集し、プラン…

7月の海番組 

夏になると、テレビでの海番組が多くなる。そこで今月に入ってから放送された、海の番組で印象に残ったものを取り上げる。 日本テレビ『所さんの目がテン!』は、7/10(日)と7/17の2週にわたって沖縄・奄美を放送した。奄美は海と森だが、海は南部の代表的…

キツネウオ幼魚騒動記 

1980年代中ごろ、水中撮影に適したマクロレンズが発売されたお陰で、小さな生きものが注目され始めた。それに伴い、幼魚好きダイバーが増え、珍しい幼魚を撮ってはダイビング誌に投稿するようになった。そうして評判になったのが、イトヨリダイ科キツネウオ…

めったに出会えないハナダイ

ダイビングでよく目にするキンギョハナダイは、ハタ科ハナダイ亜科ナガハナダイ属。一般的に「ハナダイ(類)」といえば、ハナダイ亜科の総称になる。ちなみにナガハナダイ属は世界に64種、日本に22種分布している。ここではあまり出会えないハナダイ類を取…

共生ハゼ・エビ 2ぺア 

ハゼ科の中には、テッポウエビ類と共生する種もいる。そうしたハゼは「共生ハゼ」、テッポウエビは「共生エビ」という。前者は日本に約70種、後者は17種確認されている。共生ハゼを撮影する際、その生態的特徴からテッポウエビも一緒に写すことを心掛けてい…

ブダイについて 

ブダイ科ブダイの分布は、房総半島以南~奄美大島、朝鮮半島南部、台湾となっている。以前は、沖縄や太平洋・インド洋も含まれていたが、現在は前述のように訂正されている。とはいえ、奄美では見た覚えがないし、『奄美群島の魚類図鑑』(南日本新聞開発セ…

バリエーション豊か ホシゴンべ 

ゴンべ科のホシゴンべは、伊豆半島以南の太平洋、インド洋に分布している。全長約25cmになるようだが、見られるのは20cm以下がほとんど。また、成魚は主にサンゴ礁域に生息する。体色・斑紋はこの写真の個体が最も一般的で、顔に褐色の点が無数にあることが…