大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

7月の海番組 

夏になると、テレビでの海番組が多くなる。そこで今月に入ってから放送された、海の番組で印象に残ったものを取り上げる。 

日本テレビ所さんの目がテン!』は、7/10(日)と7/17の2週にわたって沖縄・奄美を放送した。奄美は海と森だが、海は南部の代表的ポイントの嘉鉄(かてつ)でのロケ。水深7~8mの砂地にある根を竜宮城として紹介していた。何度も潜った場所なので、懐かしかった。 

嘉鉄の根に住むハナビラクマノミ。以前はカクレクマノミが住んでいた 

 

7/17は沖縄本島恩納村でのロケ。サンゴの産卵がメインだったが、魚類などの繁殖シーンもとらえていた。印象深かったのはトウアカクマノミで、ちょうど卵を世話しているところだった。本種の成魚の体色は白、黒、赤が普通だが、この写真の個体は黒の部分が茶色だ。生息水深が10mより浅いと黒に、深いと茶色になる傾向が強い。 

卵を世話するトウアカクマノミ 

 

毎週土曜日の午後7時からNHK Eテレでは「地球ドラマチック」が放送されている。7/16はオーストラリアのテレビ局制作の『真夏のグレートバリアリーフ サンゴ大繁殖』。生物学者や研究者、保護活動家のチームがグレートバリアリーフで活動する姿を追ったドキュメンタリー。サンゴの産卵がメインだったが、いろいろな生物の繁殖もとらえていた。ミズガメカイメンの産卵も。このカイメンの産卵はコモドで2度観察・撮影しているが、他の映像・画像で見たのは初めてだった。 

カイメンの産卵 

 

グレートバリアリーフは、この30年で半分のサンゴが消滅したという。そこで研究者たちは、自然に産卵し水面に浮かんだサンゴのパンドルを集め、海面につくったプールに入れ、受精率を上げる実験をしている。パンドル⇒胚⇒浮遊幼生になる確率を高くし、海中に戻したり、一部は人工的に育ててある程度になったら海底に固着させ、サンゴ礁を修復したいと話しいた。 

サンゴのパンドルを入れた人工のプール 

 

7/17(日)NHKダーウィンが来た!」は、『海のスペクタクル! イワシ大移動』。南アフリカの沿岸を寒流とともに大移動する、「サーディン・ラン」といわれる自然現象をとらえたもの。サーディン・ランはこれまでいろいろな番組で紹介され、出て来るイワシの捕食者も決まっているので、同じような映像になってしまうキライがある。今回の番組もフランスなどいろいろな国の共同制作になっている。 

海に飛び込んでイワシを狙うケープシロカツオドリ