大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

タツノイトコとは

ヨウジウオ科はヨウジウオ亜科とタツノオトシゴ亜科に分かれている。前者は細長い体型で尾ビレがあり、浮遊するタイプと海底を這うタイプがいる。後者は尾ビレがなく、尾部でものに巻きつく習性がある。


タツノイトコ(東伊豆・富戸)                                            

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ヨウジウオ類とタツノオトシゴ類の中間的な形態をしているのがタツノイトコで、タツノオトシゴ亜科タツノイトコ属である。











タツノイトコ(伊豆大島
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大きさは約6cmで、基本的な体色は茶色。ただし赤っぽいものや黒っぽいものもいて、色彩変異がある。伊豆半島や伊豆諸島、高知県に分布している。砂地の小石などに繁茂している海藻に巻きついていることが多い。









ペアでいることも(伊豆大島)                                                 

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体に細長い皮弁があるものとないものとがいて、一緒にいることもある。オスには袋状の育児濃がある。











ロープに絡むタツノイトコ(柏島
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タツノイトコは1847年に新種記載された。だが、標本の採集地が記されていないとのこと。日本初記録は1970年代前半。

これまでにわかっている分布は、国内は先述のとおりで、国外ではベトナムニューカレドニアパラオなどとなっている。








タツノイトコ(伊豆大島
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タツノイトコの和名の由来は、タツノオトシゴの近縁種だからだ。1993年に西表島タツノイトコの近縁種が採集され、日本初記録となった。そして和名がタツノハトコと付けられた。外見の違いは、背ビレ基部があまり盛り上がっていないだけらしいので、識別が難しい。ただし日本における分布が沖縄本島宮古島西表島なので、どこで見たかで決めるしかない。