大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

ハマクマノミの不思議(その1)

日本に分布するクマノミ類は6種。それに対し、宿主(しゅくしゅ)となるイソギンチャクは約13種。クマノミ類とイソギンチャク類の組み合わせには相性がある。



タマイタダキイソギンチャクとハマクマノミ
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6種の中でクマノミが最も適応性があり、10種くらいのイソギンチャクに住める。不思議なのはハマクマノミで、タマイタダキイソギンチャク1種のみしか住めないことになっているのだ。










先端が丸くなるのが特徴
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タマイタダキイソギンチャクの特徴は、先端が丸まること。しかしいつも丸まっているわけではない。故ジャック・モイヤー氏は、タマイタダキイソギンチャクをサンゴイソギンチャクの仲間としていたが、学者によって見解が異なる。








住み分けをするクマノミ
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別種のイソギンチャクが隣り合わせにある場合、当然相性の合うイソギンチャクにクマノミ類が住んでいるのが見られる。いくら適応性があるクマノミハナビラクマノミでも、タマイタダキイソギンチャクには入らない。
左側はシライトイソギンチャクに住むハナビラクマノミ







シライトイソギンチャクに(奄美
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タマイタダキイソギンチャクにしか住まないはずのハマクマノミだが、稀にシライトイソギンチャクに入っていることがある。慶良間や奄美で何度か観察したことがあり、不思議に思っていた。









シライトイソギンチャクとペア(慶良間)
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慶良間ではハマクマノミのペアがシライトイソギンチャクに住んでいる。珍しいことには違いないが…
こうした様子を見ると、絶対に住めないというわけではなく、好みが二番目の宿主にしたなんらかの事情があるのかもしれない。