大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

ハマクマノミの不思議(その2)

ハマクマノミは幼魚期に白帯が2本あるいは3本ある。成長につれて白帯は後ろから消え、最終的に顔のところだけが残る。


全長約3cmの幼魚

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幼魚は、小さなタマイタダキイソギンチャクに単独でいることがほとんど。顔以外の白帯が消えるタイミングは、一定の大きさに達したからということではないらしい。かなり差があるようだ。










全長約3cmだが白帯は顔のみ

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ハマクマノミの繁殖を日本で最初に成功させたのは「鴨川シーワールド」で、'73年のこと。その記録によるとふ化後浮遊し、20日経過すると白い帯が出始めて着底に入るとのこと。ふ化6ヶ月後で全長約3cmになり、白帯は顔だけになるという。しかし成長にはかなり個体差があるという。








全長2cm弱でも白帯は1

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同時にふ化した稚魚を3年後、生存していた25尾を計測したところ、全長3.3cm9.1cmでかなり幅があり、その理由はわからないとしている。白帯の消失についてもさまざまな状況で差が出てくるのかもしれない。









白帯がもう少しで消える幼魚
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水槽やフィールドでの観察を踏まえると、平均的には全長約3cmで白帯は顔のみになるようだ。











小さくてわかりにくいが、ペア(?)奄美
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成魚が住むイソギンチャクには、白帯が1本以上ある個体は見られない。どんなに小さくても成魚と同じ1本の白帯だ。おそらく繁殖に加わる意識が高いからだろう。










白帯が2本の個体と(どちらも慶良間)

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ところが、白帯が2本の幼魚がペア(?)になっているのを見たことが二三度ある。一体どうしてなのだろう。やっぱり不思議だ。