海の中の生物の多くは色鮮やか。そのことを知ったのはかなり昔で、カラーフィルムが普及してきた60年代中ごろ。フラッシュ(今でいうストロボ)をたいて撮影してわかった。
淡いピンクが美しいウミトサカの仲間
極彩色の中にピンクがあるのに驚いた。ピンクは人工的な色だという先入観があったからだ。真鶴でピンクのスナイソギンチャクに惹かれ、何度も撮影した覚えがある。これはウミトサカの仲間。
シライトイソギンチャク
イソギンチャクの中でもシライトイソギンチャクがピンクの場合が多い。このイソギンチャクは住み場所を50cmくらい移動したことがあるうえ、以前はクマノミだったのだが、ハナビラクマノミに乗っ取られた。波乱万丈のシライトイソギンチャクだが、色は鮮やかなピンクのまま変わっていない。
体壁がピンクのセンジュイソギンチャク
センジュイソギンチャクの触手の先端はピンクのこともあるが、触手全体は透明感のある茶色などだ。しかし丸まることが多く、すると裏側(体壁)が現れ、ピンクのものもある。ピンクは熱帯海域に多く、日本のものは赤や茶色、白などがほとんど。
お花畑のカンザシヤドカリ
サンゴのポリプがピンクの場合がある。まるでお花畑のようで、よい被写体になる。
白化現象の効果?
イボハダハナヤサイサンゴは、通常このようなピンクではない。先端が多少ピンクがかったものもあるが、大抵は緑や茶色などだ。これは水温が高い年に起きた白化現象の影響。共生している褐虫藻が抜けたために白くなり、ピンクになった。