大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

奇抜な模様=ピカソ

魚には学名、標準和名、英名などが付いている。学名や標準和名は1種に1つだが、英名は国や地域によって異なる場合が多く、かなりアバウト。モンガラカワハギ科の魚は、英名でトリガーフィッシュという。第一背ビレがトリガー(銃の引き金)に似ているからだ。 
 
 
モンガラカワハギ。第一背ビレが引き金にそっくり
イメージ 1
モンガラカワハギの英名はクラウントリガーフィッシュ。クラウンとは道化師とかおどけるという意味。モンガラカワハギについては珍しくどの国も同じ英名になっている。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
紅海のピカソトリガーフィッシュ
イメージ 2
紅海にはモンガラカワハギ科の固有種がいる。30年前最初に紅海へ行ったときに撮影し、名前を調べたらピカソトリガーフィッシュという英名だった。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
タヒチピカソトリガーフィッシュ
イメージ 3
その後、タヒチに行ったときも中部太平洋固有のモンガラカワハギ科の魚を撮った。英名はやっぱりピカソトリガーフィッシュだった。 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ムラサメモンガラ。枠内はインド洋の魚類図鑑
イメージ 4
海外の図鑑を見てみると、ムラサメモンガラにはいろいろな英名が付いていることがわかる。インドネシアなどではハワイアントリガーフィッシュ、パプアニューギニアではホワイトバード(白い縞という意味)トリガーフィッシュ、ハワイやオーストラリアではリーフトリガーフィッシュという。だが、インド洋やミクロネシアでは、ピカソトリガーフィッシュなのだ。
 
 
 
 
タスキモンガラもハワイではピカソトリガーフィッシュ
イメージ 5
タスキモンガラという魚もハワイの図鑑には、ピカソトリガーフィッシュという英名で載っていた。
縞模様の魚をストライプ、バンド、バー、ゼブラなどと奔放な発想で付けている英名だが、どの国も奇抜な模様=ピカソとするのはおもしろい。やはりピカソが偉大だからだろう。