大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

日本に分布するソメワケベラ属

クリーニングする魚で有名なのがホンソメワケベラ。他の魚の体に付いた寄生虫などを食べてきれいにするため、誰からも好かれ天敵がいない。 
 
 
ネムリブカをクリーニングするホンソメワケベラ(奄美
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ベラ科ソメワケベラ属で、全長約12cm。オスは縄張りを持ち、複数のメスを従えている。この縄張りが「クリーニングステーション」になっていて、いろいろな魚が訪れる。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ソメワケベラ。生態はホンソメワケベラと同じ(慶良間)
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ソメワケベラ属は他にソメワケベラ、スミツキソメワケベラ、クチベニソメワケベラが日本に分布している。その中でソメワケベラが最も大きく、全長約14cmに達する。ホンソメワケベラより生息数が少ないうえ、行動範囲が広いので観察しにくい。
 
 
 
 
 
 
 
日本では極めて珍しいスミツキソメワケベラ(慶良間)
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スミツキソメワケベラはホンソメワケベラによく似ているが、胸ビレの下に黒斑があることや口が赤いことで区別できる。インドネシアやマレーシアなど熱帯海域では普通だが、日本ではほとんど見られない。ごくまれに小笠原や慶良間、奄美などに出現する。
 
 
 
 
 
 
 
日本ではまず見られないクチベニソメワケベラ(タヒチ
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クチベニソメワケベラの分布は中部太平洋で、日本では南鳥島で記録されただけ。そんなわけで、日本で見るのは極めて困難。タヒチには多い。
ちなみに『日本の海水魚』(山と渓谷社)にクチベニソメワケベラとして載っているのはスミツキソメワケベラ。口が赤いから間違えたようだ。