大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

八重根のアーチ

3/20(水)写真展『海で逢いたい』が無事終了した。知り合いの来場者には10数年ぶりという人も複数いた。写真展をフェースブックなどのSNSで知ったというので、イマドキだなと思い、こうした催しはやはり大切なことだと感じた。

3/16(土)は会場内でのレセプション、そして夜の懇親会での「辛口水中写真家・大方洋二の一刀両断」も復活した。一刀両断とは、展示作から、ここをこうしたらもっと良くなる、というのを10数点選び、講評するイベント。今回は佐々野 浩さんの「八重根のアーチ」も選んだので、取り上げてみたい。

右の岩の割合が多く、肝心のアーチ部分が少ないため、画面全体を左下にずらすとアーチの形がよくわかるのではないかと話した。

佐々野 浩氏の「八重根のアーチ」

 

八重根のアーチは、八丈島の旧八重根港沖にあるダイビンングポイントで、何度か潜っている。アーチは大きくてダイナミックなので、超ワイドレンズでなければ表現するのは困難。また、佐々野氏は、ハナダイや壁のカラフルな生物も伝えたかったらしい。確かにアーチの天井部分はイボヤギやイソバナなどでカラフルだが、両方際立たせるのは相当な技術が求められる。

天井部分は鮮やかな生物が付着している

 

八重根のアーチ自体を被写体にしたのは0710月のときだけで、大きすぎる被写体なので、いろいろアングルを決めるのに苦労した覚えがある。アーチの大きさがわかるようにダイバーを配置し、自然光で撮ったりもした。

自然光で撮ったアーチとダイバー

 

アーチの壁面に付いているイソバナを手前に入れて撮ってみた。改めて見ると、右下のトンネル部分が少ないので、ダイナミックさが足りないと思う。

イソバナを前景にしたアーチ

 

アーチの下にカイメンがあり、中にミギマキが入っていた。それを手前に入れ、背景にアーチの足の部分を入れて撮った。これがこのレンズの限界なのでしかたがないが、さらにアーチの形がわかれば、もっとおもしろい写真になったかもしれない。時を経て、カメラアングルや構図のことをあれこれ考えるのも楽しいものだ。

カイメンの中のミギマキと背景のアーチ