大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

コロダイの最新事情

イサキ科のコロダイは伊豆半島以南の西部太平洋、インド洋に分布し、岩礁サンゴ礁に隣接する砂地や転石帯に生息する。全長約60cmになり、明るい灰色の地に黄色い斑点が無数に入っているのが特徴。単独~複数でじっとしていることが多い。

コロダイの成魚(座間味)

 

コロダイの幼魚は黄色と黒の縞模様で、成魚と比べると同種とは思えない。こうした特徴から、親子で模様が異なる魚としてよく知られている。

5cmのコロダイの幼魚(大瀬崎)

 

2018年発刊の『日本魚類館』(小学館)によると、世界のコロダイは5亜種に細分されるという。さらに日本のコロダイについても、温帯域とサンゴ礁域のものは別種に相当する違いが見つかっており、再検討が必要と記されている。見た感じでは違いはわからないが、幼魚に関しては以前から色合いが違うと感じていた。温帯域のものは黄色味が強く、サンゴ礁域のものは白っぽいのだ。とはいえ、成長段階で変化するので、その範囲内と捉えることもできるので難しい。

4cmの幼魚(奄美

 

温帯域の成魚も違いはよくわからない。体色がやや濃いような印象はあるが…。

温帯域のコロダイ成魚(柏島

 

奄美群島サンゴ礁域の生物群の北限、そして温帯域生物群の南限に当たる。そのため、コロダイに関してもどちらのタイプになるのか興味深いところだ。今後の研究に期待したい。

砂地の根に群がるコロダイ(奄美