かつて「マンタ」はオニイトマキエイのことだったが、2008年2種に分類され、新たなほうはナンヨウマンタになった。オニイトマキエイは外洋性、ナンヨウマンタは沿岸性とのことで、ダイバーがよく出会うのはナンヨウマンタということになる。2種に分かれたとはいえ、やはりダイバーは「マンタ」と呼ぶことが多い。マンタの主食は動物性プランクトン、ということもよく知られている。
エサを食べながら移動するナンヨウマンタ(座間味)
動物性プランクトンとは、魚卵や仔魚、甲殻類の幼生、そしてさまざまな生きものの幼体などで、自力では大きく移動できない浮遊物のこと。クラゲも入るらしい。プランクトンの移動は潮流や海流しだいで、マンタは効率的に捕食できるよう、プランクトンがどの時間帯にどこへ集まるかを把握しているようだ。
プランクトンが集まる場所に現れた複数のナンヨウマンタ(コモド)
プランクトンは、通常水面近くを漂っていることが多い。そのため、マンタは口を開いたまま水面を移動する。海水を口に入れてエラから抜ける際、プランクトンがエラで濾されて胃のほうに送られる。そのため、口を開いているときには、エラも広がっているのがわかる。
食事中はエラを広げている(コモド)
潮の流れや地形によっては、プランクトンが水面から水深5~6mあたりまで広がっていることもある。そうした場合マンタは潜って移動する。口を大きく開けることはいうまでもない。
潜ったまま口を大きく開いて移動する(座間味)
バク転するように、宙返りすることもある。このときは何度か宙返りしたが、うまく撮影できなかった。宙返りしている姿を見ると、食べられる喜びに溢れているように見え、人間もマンタも同じだと思った。
喜びを表しているようなナンヨウマンタ(座間味)