大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

魚の寝姿いろいろ

昼間活動する魚のほとんどは、夜になると眠りにつく。その寝姿を見ると、種によって特徴があることがわかる。ブダイ類はサンゴや岩陰で眠るが、多くはエラから透明の粘液を出して「寝袋」をつくり、その中で眠る。「寝袋」は主に寄生虫よけと考えられている。また、透明すぎてわからない場合もある。

夜のナンヨウブダイ。「寝袋」が透明でわかりにくい(座間味)

 

タカサゴ科のクマザサハナムロは、昼間群れで行動しているのだが、夜には単独になって岩陰で寝る。その際、体色を赤くする。そのほうが目立たないかららしい。また、海底に着底しないで、やや浮いて寝るのも特徴。

夜は単独で赤くなって寝るクマザサハナムロ(座間味)

 

海底でごろ寝をするものもいる。アイゴ類だ。昼間とは体色を変化させ、カムフラージュすることが基本。ごろ寝をしても毒があるヒレを立てているので、それが防御になるのだろう。

体色を変えてごろ寝するサンゴアイゴ(座間味)

 

アイゴ類とは違い、岩やサンゴの上できちんと行儀よく眠るのはシマキンチャクフグ。体色もそれほど変えない。

行儀がいいシマキンチャクフグ(座間味)

 

シマキンチャクフグにそっくりなノコギリハギは、体色を変えて、サンゴの先をくわえながら寝る。潮に流されないためらしい。他にアミメハギも海藻などをくわえて寝る習性がある。

サンゴの先をくわえて寝るノコギリハギ(マブール)