大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

特徴的な魚の寝姿

10日前、日本テレビ「ザ!鉄腕!DASH!!」番組制作担当者より連絡があった。1/31(日)放送の回で、アケボノチョウチョウウオを取り上げるが、夜の生態も紹介したいので「寝姿」の写真を貸してほしいとのこと。どのように使われるのかわからないが、とりあえずお貸しした。明日19時より放送なので楽しみだ。

ということで、夜に体色や行動が変化する魚を取り上げてみたい。

アケボノチョウチョウウオの夜と昼

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タカサゴ科のクマザサハナムロは、昼間は群れで行動している。体色は青っぽいが、夜になると海底の岩陰に単独でじっと過ごす。その際、体の色は赤に変わるが、赤は周囲に溶け込み外敵に見つからない色のようだ。

クマザサハナムロの夜と昼

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ブダイ類は夜になるとサンゴや岩の隙間で寝る。体色はさほど変わらないが、エラから粘液を出して透明の薄い膜で体を覆うものもいる。いわゆる「寝袋」で、寄生虫から守ったり、外敵に匂いを伝えないためと考えられている。

ナンヨウブダイの夜と昼

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夜のノコギリハギは、体色がやや地味になると同時に、サンゴの小枝をくわえる。流されないようにするためのようだが、おもしろい習性だ。ちなみにそっくりなシマキンチャクフグは岩やサンゴの上で寝る。

ノコギリハギの夜と昼

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アイゴ類は海底にごろ寝する種がほとんど。その代わり体の色は地味になり、まだら模様が現れて海底に溶け込む。そのうえ背ビレを広げてトゲで防御する。これはサンゴアイゴで、珍しく急斜面で寝ていた。

サンゴアイゴの夜と昼 

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