大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

マダラエイについて 

アカエイ科のマダラエイは、紀伊半島以南の太平洋、インド洋に分布している。体盤幅(たいばんはば)は約2mに達する。通常魚の大きさは、吻の先端から尾ビレの先までの全長だが、エイ類の場合は、背中側から見て両胸ビレの最も幅が広いところを測る、体盤幅が一般的。体が小さい割に尾が長い種がいるためと思われる。 

体盤幅約1,2mのマダラエイ(奄美

 

マダラエイの背面は灰色の地に黒いまだら模様が広がり、腹側は白に近い灰色をしている。エイ類は尾棘(びきょく)と呼ばれる有毒のトゲがあることが知られている。トゲのある場所は種によって異なり、本種を含むアカエイ科は尾の中央付近にある。 

尾の中央付近にトゲが見える(奄美) 

 

通常本種は海底で休んでいるか、海底近くを移動するのだが、オーストラリアのロードハウ島でダイビングしているとき、中層を泳いでいたので驚いた覚えがある。しかも近寄っても逃げることはなく、嫌がらずに撮影させてくれた。 

中層を泳ぐマダラエイ(ロードハウ島) 

 

そのうち着底する場所を探すかのように向きを変え、こちらに向かって来た。あわててバックしながら正面から撮影した。 

こちらに向かって来た、体盤幅約1.5mのマダラエイ(ロードハウ島) 

 

別のポイントでもマダラエイを見つけた。着底したところはホンソメワケベラのクリーニングステーションだった。すぐにホンソメワケベラが掃除を始めた。 

ロードハウ島では2個体のマダラエイに出会った。通常はなかなか出会えないので、生息数が多いのだろう。そのため中層で泳ぐ姿も目にできたのかもしれない。 

ホンソメワケバラにクリーニングされるマダラエイ(ロードハウ島)