大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

ツバメウオが体を倒すワケ

マンジュウダイ科のツバメウオは全長約60cmに達し、北海道以南の西部太平洋に分布している。若魚や成魚の生息域は、伊豆より南にあたる。ツバメウオは時折体を倒すことがある。なぜなのだろうか。

体を倒すツバメウオ(奄美

 

体を倒すのは、動かないときがほとんど。クリーニングを受けているときが最も多い。おそらく、体内の浮袋の位置と関係しているのだろう。なぜなら同じような体型のタテジマキンチャクダイも、体を倒すことがあるからだ。

ホンソメワケベラにクリーニングされて横に(水納島

 

ツバメウオの群れが体を傾けている場面に遭遇した。黒い個体もいるので、クリーニングを受けているに違いない。しばらく様子を見ていたら、ホンソメワケベラが1尾いた。動きを止めたほうがクリー二ングしやすいことはツバメウオも知っていて、倒すのは要求のポーズなのかもしれない。

体を倒すツバメウオの群れ(柏島

 

3分くらい体を倒していたが、徐々に体を元に戻し、静かに去って行った。リラックスすると体が傾く仕組みなのだろう。そうすると、通常の態勢のときは、緊張しているということだろうか。

3分後、態勢を元に戻しはじめたツバメウオの群れ(柏島