大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

浮遊系生物写真

浮遊系生物写真が流行っている。ほとんどの生物はふ化と同時に浮遊生活をするので、それらに目を向けることで新たな発見もあるようだ。撮影方法は、夜間にボートからライトを吊るし、灯りに集まって来る生物を写す。


峯水氏の写真。DIVER 9月号より

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16年、ナショナルジオグラフィック写真コンテストでグランプリを受賞した峯水亮氏の作品も浮遊系生物で、この受賞でさらに人気が高まった。
そして峯水氏は写真集『神秘のプランクトン』を日経ナショナルジオグラフィック社より出版した。








クリオネに似た浮遊生物                                              

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浮遊系生物の撮影は難しい。相手も自分も揺れているので、画面に入れることさえ困難。さらにピント合わせもある。そんなことでチャレンジしたことはない。たまたま昼間潜ったときに見つけたクラゲなどを撮るくらいだ。調べたらクリオネみたいな生物を佐渡で撮影していた。








クリス・ニューバートの作品集
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浮遊系生物写真は新しいジャンルのようだが、そうではない。30数年前にアメリカの写真家・クリス・ニューバートが撮っている。彼の作品集『WITHIN A RAINBOWED SEA(8410月発刊)に、色鮮やかなタコやトビウオの幼魚、名も知らぬ幼魚などの浮遊系生物が掲載されている。









浮遊系のタコと幼魚
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作品集には浮遊系生物以外にもクジラやイルカ、魚群、無脊椎動物のアップなども載せている。



















講演会の様子と記念写真。ダイビング誌より
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クリス・ニューバートは87年にダイビング誌の招きで来日している。八丈島を取材したほか、都内で講演会も開催した。その場に写真家の吉野雄輔氏とぼくもゲストで出席した。

それにしてもクリスが撮っていたのはフィルムの時代で失敗も多かったと思われ、相当大変だったに違いない。