大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

謎のスズメダイが新種に

スズメダイスズメダイ属のモンスズメダイは、沖縄などのサンゴ礁域で普通に見られる。体の大部分が黒くて尾ビレが白いのが特徴。インスタ映えしないが、繁殖生態はおもしろい。


謎のスズメダイ(座間味)                                              

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以前からモンスズメダイによく似ているのだが、白い部分がまったくない個体が沖縄・座間味では見られた。モンスズメダイのバリエーションなのだろうかと思ったりもした。










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モルディブで撮影したことがある、ジャイアンクロミスにも似ている。












新種記載されたカンザシスズメダイ(座間味)
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どう見てもモンスズメダイとは顔のあたりが違う。そう思っていたら、やはり違っていた。しかも新種だったのだ。201710月に新種記載され、学名はChromis anadema  Motomura, Nishiyama and Chiba,2017。標準和名はカンザシスズメダイになった。








カンザシスズメダイの幼魚(水納島)                                          

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幼魚もモンスズメダイと混同されていて2タイプあったが、今回体が青っぽくて腹ビレと尻ビレが黄色いタイプが本種の幼魚であることが判明した。










卵を守るカンザシスズメダイ(座間味)                                           

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繁殖生態はモンスズメダイとほとんど同じで、砂地に産卵する。しかしモンスズメダイのように、きれいな産卵床を作るかは、それほど観察していないのでわからない。
謎だっただけに和名が付いてスッキリした。