シリテンスズメダイの群れ(座間味)
2009年ごろだったか、この近似種に「シリテンスズメダイ」という和名が付けられた。尾ビレにある黒点が由来だ。やっぱり別種だったのだと思っていたら、いつの間にか「シリテンスズメダイ」は消滅した。オヤビッチャのシノニム(同種異名)ということで、きちんとした分類学的整理が必要とのことだった。
シリテンスズメダイ。枠内が婚姻色(座間味)
ところが、2017年にシリテンスズメダイが復活。学名はAbudefduf caudebimaculatus。だが、この学名の魚はずいぶん前にA.caudebimaculatus Okada et Ikeda 1939 として新種記載されている。しかしながらシノニムという扱いだったからだろうか、我々が持っている図鑑には載っていなかった。
今回分類学的整理をしたのは、沖縄美ら海水族館、鹿児島大学などのようだ。
産卵中のオヤビッチャ(座間味)
オヤビッチャの繁殖生態とシリテンスズメダイのそれは異なる。特に産卵場所がオヤビッチャは岩の上なのに対し、シリテンスズメダイは岩の窪みの天井、つまり見えない場所に産む。
天井の卵を守るシリテンスズメダイ