大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

ミヤケベラの変身ぶり

ミヤケベラを最初に見たのは慶良間諸島だった。全長約5cmで、リュウキュウイソバナのそばにいた。なんてきれいなんだろうと、見とれた記憶がある。80年代初めで、当時手元にあった図鑑には載っていなかった。


ミヤケベラの幼魚
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'84年に発刊された『日本産魚類大図鑑』(東海大学出版会)に掲載され、ようやく和名がわかった。なぜ「ミヤケ」なのかは、当時三宅島で採集された幼魚1個体が基で日本初記録種になったためとか。








全長約3cmの幼魚                                          
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さらに小さい時期は縞模様が太い。慶良間諸島では幼魚はわりあいよく見られる。











クリーニングをする幼魚
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ミヤケベラはインド洋にも分布している。ただ生息数は多くないようだ。モルディブで幼魚を見つけ、観察を続けていたらクリーニングを始めた。幼魚はそういう習性があるみたいだ。









全長約8cmのメス
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成長する過程で縞模様が消えてくる。そしてメスとして成熟する。メスも慶良間ではたまに見られる。










全長約12cmのオス
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オスは生息数が少ないことと、行動範囲が広いためにめったに見られない。慶良間諸島でも34回しか見ていない。泳ぐスピードも速いので、撮影するのもちょっとたいへん。幼魚からどうしてオスのような体色・斑紋になるのか、不思議でしかたがない。