ギチベラはオスとメスとでは体色が異なる。メスは黄色か茶色、あるいはその中間で際立った模様はない。背に黄色の斑点がある個体が多いが、ない個体もいる。体色はほとんど変えない。
繁殖期以外の時期のオス
オスは複雑な模様で、繁殖期はわりあい派手になるが、それ以外の時期は地味になって過ごす。写真よりもっと黒っぽくなることもある。
婚姻色のオス
初夏から夏にかけての繁殖期にオスは婚姻色になってメスにアピールする。
地味になったオス
メスにアピールするときは、海底より数m上の中層を泳ぐ。自分の縄張りの中とはいえ、目立つ体色で中層を泳ぐのは天敵から狙われやすい。そのため、時折海底に降りて休んだりエサを食べたりするのだが、海底に向かっている途中から地味な色に変わる。
中層に戻り始めたオス
そしてまた中層に戻り始めると婚姻色になるのだ。こうして中層と海底を行ったり来たりする度に体色を変えるのだが、その変化の素早さと慎重な対応に驚いたのだった。