大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

分布にまつわる話(テングチョウ編)

テングチョウチョウウオを初めて見たのは柏島'917月のこと。幼魚、そして成魚のペアがいた。ペアでもこのチョウチョウウオは少し離れて行動するので、2尾を画面に入れるのは難しい。同じ年の12月に大瀬崎でも若魚に出会った。


何とかペアが撮れた('92年、柏島

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当時は沖縄などのサンゴ礁域では見たことがなっかたので、温帯域のチョウチョウウオだと思っていた。だが図鑑には相模湾以南、ニューギニアにいたる西部太平洋に分布とある。すなわち熱帯海域にも分布しているのだ。









全長約4cmの幼魚('99年、富戸)
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伊豆半島には幼魚がときどき出現する。富戸でも何度か出会った。その可愛さから出会うたびにレンズを向けた。











離れている行動するペア('97年、奄美
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その後、奄美大島で何度か出会った。水深は20から30mのガレ場や岩場のような環境に、ペアで出現することが多かった。











ペアで行動('10年、コモド)                                            

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海外ではインドネシアに多いようで、これまでコモド諸島やレンべで出会った。コモドでは南エリアの水温が低めの海域でよく見られ、岩場付近やガレ場を広範囲に行動している。










色彩変異?('09年、スミラン諸島)                                          

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タイのカオラックからスミラン諸島へクルーズしたとき、テングチョウチョウウオらしき魚がいた。スミラン諸島はインド洋のアンダマン海で、図鑑上は分布していないことになっている。撮影してよく見ると、黒い模様の部分が薄いだけで、模様の入り方などはテングチョウチョウウオなのだ。もしかしたら雑種かもしれないが、変わったものが見られて得した気分だった。