図鑑上は沖縄本島や奄美大島にはいないことになっているクロリボンスズメダイだが、沖縄本島の渡久地港で岸壁から見たことがある。また、慶良間でもごく稀に出現することがある。クロリボンスズメダイがものすごく多い海域は、なんといってもタイのタオ島だと思う。まるでキンギョハナダイのように群れているのだから。
クロリボンスズメダイは、トサカガキの殻や岩の隙間で産卵する。繁殖期にオスは白い模様を出す婚姻色になる。奄美でも夏になると繁殖行動が見られる。
嘉鉄に進出('14年)
奄美の嘉鉄(かてつ)というポイントに、魚がたくさんいる根がある。そこにはクロリボンスズメダイはいなかったが、2年前に2~3尾いるのを確認した。そして今年5月には、約10尾に増えていた。近い将来、タオ島のように大群になり、分布の北限を書き換えるに違いない。