大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

ゲンロクダイに出会った海

チョウチョウウオ科のゲンロクダイに初めて出会った海は、西伊豆の大瀬崎。約30年前のことで、当時ゲンロクダイはサンゴ礁に生息しているものだと思い込んでいた。


初めて出会ったときのゲンロクダイ

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ゆえに、西伊豆では見られたとしても幼魚だろう、と。それが成魚のペアだったので、かなり驚いた覚えがある。











海外の図艦と分布図。オレンジが分布域                                              

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当時の図鑑で分布を調べてみると、南日本が北限で、フィリピン、台湾だった。ただ日本海にもいるとのこと。その後海外で出版されたキンチャクダイ科&チョウチョウウオ科だけの図鑑では、マレーシア、インドネシア、オーストラリア北西部と分布が広がった。








タイヤのところでカサゴと                                             

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ゲンロクダイは内湾のような環境が好みのようで、大瀬崎でも外海では見ていない。湾内ばかりだ。











錦江湾らしい景観の中で
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分布域になるインドネシアやマレーシアで潜っても、ゲンロクダイに出会ったことはない。生息場所から外れたところで潜っているのかもしれない。

15年前に鹿児島県の錦江湾で潜ったら、ゲンロクダイがわりあいよく見られた。







錦江湾は生息しやすい環境なのだろう

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その後も錦江湾に行ったが、滞在中4個体くらいは見ているので、生息数が多いのだろう。
これまで出会えた海を思い出してみると、大瀬崎と錦江湾だけだった。自分の中では日本固有種(?)といえるかもしれない。