大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

魚類の生態用語(その4)「マウスブルーディング」

マウスブリーディングともいう。日本語にすると口内保育。つまり、卵を口の中で保護しながら発生を促すこと。この生態も陸上動物では見られない。


 卵保護中のクロホシイシモチ                                                                 

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マウスブルーディングするのは、ほとんどがテンジクダイ科魚類。繁殖期にペア産卵し、受精後オスがくわえ、ふ化まで絶食するらしい。産卵からふ化までは約2週間かかるようだ。










リュウキュウヤライイシモチ
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鋭い歯が特徴のリュウキュウヤライイシモチも卵をくわえて保護する。




 







ミミックカーディナルフィッシュ
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ミミックカーディナルフィッシュ。テンジクダイ科なのだが、毒牙を持つイソギンポ科のヒゲニジギンポに擬態している。ただしマウスブルーディングするときはバレてしまう。










口いっぱいの卵をくわえるジョーフィッシュ
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テンジクダイ科以外ではアゴアマダイ科(英名でジョーフィッシュ)がよく知られている。卵をくわえているときは、口を大きく開けているので観察しやすい。写真では種を判別できないので、ジョーフィッシュとした。ジョーフィッシュは、卵を巣穴に置いてエサを食べるらしい。







稚魚が外をうかがっている
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テンジクダイ科のバンガイカーディナルフィッシュ。バンガイ島(インドネシアスラウェシ島近くの小島)固有種だったが、人為的と思われる要因で、今ではレンべやバリでも見られる。ほとんどの魚はふ化と同時に保護を終了するが、本種はふ化後も稚魚をくわえる。おそらく海水魚では本種のみ。