大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

魚類の生態用語(その3)「ライディング」

併泳ともいい、別種の魚が寄り添って行動を共にすること。この行動も陸上動物では見られないので、海の魚特有のものだろう。


カマスベラとマルクチヒメジ                                                                

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ライディングする理由は、エサが効率よく捕れることだと思う。最も多く見られるのはベラ類とヒメジ類の組み合わせ。エサを探したり追い出すテクニックが異なる2種が一緒に行動することによって、エサとなる小魚や甲殻類などを混乱させる意味合いがあると考えられる。








シロタスキベラのメスとマルクチヒメジ若魚
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組み合わせの特徴としては、両方が素早い動きをする魚の場合が多い。




 







タレクチベラとマルクチヒメジ若魚
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片方の動きが素早くなくても、もう片方が素早ければ成立する。タレクチベラはのんびり派だが、マルクチヒメジは寄り道してもすぐ追いつける。マルクチヒメジとシマタレクチベラの組み合わせもよく見かける。









ヒレグロベラとシロタスキベラのメス
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ごく稀にベラ類同士の場合もある。ヒレグロベラとシロタスキベラのメスの組み合わせだ。これもヒレグロベラのほうはのんびり移動する。











オジサンとカスミアジの若魚
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回遊魚がライディングすることもある。ヒメジ類がヒゲで海底を掘ったりすると、甲殻類が飛び出してくるからだろう。