大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

カスベとは?

「大物カスベ水揚げ」という、北海道新聞の記事がネットのニュースに載った。根室の定置網にかかり、セリにかけられという。重さ52キロで、70人前の煮付けや唐揚げができる、と書かれている。


ネットに流れたニュース

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続きを読んでもカスベの説明はない。ぼくは図鑑をよく見ているのでエイの仲間ということはすぐわかったが…。








大きさがわかるカスベの写真
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掲載されている写真を見ると、確かに大きい。魚に詳しい人ならエイの仲間と推測できるが、そういう人ばかりではない。






















ニュースの続き
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おそらく新聞社の記者は、道内向けに書いたに違いない。北海道ではカスベは常に店頭に並んでいてごく一般的なのだろう。しかし北海道以外の人で魚に詳しくなければわからないはず。









〇〇カスベ(日本産魚類大図鑑より)
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図鑑を調べたらガンギエイ科で、日本には34種生息しているという。だが、カスベという種はいなくて〇〇カスベがほとんど。'75年発刊の『南日本の沿岸魚』(東海大学出版会)に掲載されている同科はガンギエイ一種のみ。'84年発刊の『日本産魚類大図鑑』(同出版会)では28種掲載された。そういう意味では研究が遅れていた仲間なのかもしれない。