大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

モンガラカワハギの生態

奇抜な模様の代表格は、なんといってもモンガラカワハギではないだろうか。日本では奄美や沖縄などのサンゴ礁域に生息している。決して生息数が多いわけではないが、一度見ると印象に残るので多いと感じてしまうようだ。
 
珍しくペアで砂地に現れた(慶良間)
イメージ 1好みのエサはウニ類、貝類、甲殻類などで、それらを求めて行動しているといっても過言ではない。したがってサンゴ礁をはじめ、ガレ場や砂地などにもよく出現する。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
全長約7cmの幼魚(八丈島
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沖縄あたりで見られるモンガラカワハギは、ほとんどが成魚だ。幼魚や若魚はまず見られない。どうやら深みで過ごしているらしい。ところが、伊豆諸島では水深10m前後に現れることが多いという。南方の海でふ化した仔魚が、黒潮に運ばれて来るのだろう。
 
 
 
 
 
 
 
エビにクリーニングされてうっとり(慶良間)
イメージ 3モンガラカワハギは、わりあい警戒心が強く、接近して観察したり撮影するのは難しい。近寄れるのはエサを食べているときか、クリーニングを受けているときだ。もちろん、驚かさないように気配を消すことが必要だが…
 
 
 
 
 
 
 
 
ホンソメワケベラの幼魚にクリーニングされて(慶良間)
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モンガラカワハギがクリーニングされると、体色が白っぽくなることがある。感情の変化あるいは寄生虫を見やすくするため、と考えられている。しかしこのことは、ほとんど知られていない。
 
 
 
 
 
 
 
 
クリーム色の卵を守るモンガラカワハギ(慶良間)
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モンガラカワハギが卵の世話をしている姿はほとんど見られない。モンガラ類の多くは早朝に産卵し、その日の夜にふ化するからで、そもそも卵がある時間が極端に少ない。卵保護を見られたら超ラッキーなのだ。卵はクリーム色をしたスポンジ状の卵塊で、撮影のために近づくと卵から離れてしまうほど気が弱い。ゴマモンガラと同じ科なのに、どうしてこうも違うのだろうか。