論文を発表したのはイギリスとスイスの研究チームで、水槽で実験したらしい。協力的ではないウツボもいるが、スジアラは協力的なほうを記憶していて何度も「依頼」したという。ウツボは見返りとして、スジアラが捕えきれなかった獲物を自由に食べることができるとのこと。
すごいことだが、フィールドでも観察しているのだろうか。
ユカタハタとゴマウツボ(慶良間)
昔からハタとウツボの関係は気になっていて、ずいぶん観察してきた。両者が出会うのは根に住んでいる場合が多く、互いに意識していることは間違いない。どっちがボスにふさわしいか対抗している感じなのだ。
写真のユカタハタとゴマウツボはこの後一緒に泳ぎ出した。
ただ沖縄での観察ではユカタハタやオジロバラハタ、ニジハタなどで、スジアラは一度もなかった。ハタ類のほうが活動的なので、ウツボ(沖縄ではだいたいゴマウツボ)を見つけると接近して尾ビレや胸ビレなどを接触させる。
オジロバラハタとゴマウツボ(石垣)
石垣島ではこんなことがあった。オジロバラハタがゴマウツボのところにやってくると、ウツボは岩穴から飛び出してハタと一緒に泳ぎ出した。まるで遊び相手を迎えに来たかのようで、論文にある「依頼」とは異なる行動のようだ。一体どういうことなのだろうか。