大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

あのフグがついに新種!

奄美・気になる魚たち(最終回)を予定していたが、きのう朗報が飛び込んできたので順番を入れ替えることにした。 
 
ミステリーサークルとそれをつくるフグ
イメージ 1奄美大島の海底で発見されたミステリーサークル。NHKダーウィンが来た!」で長期ロケを行い、放送後にインターネットで情報が流れたために海外のメディアから問い合わせが殺到。あの BBCも取材に訪れたほど。
 
 
 
 
 
 
 
フグを観察中の松浦氏(右から2番目)
イメージ 2 ダーウィンが来た!」のロケでも協力していただいた、国立科学博物館の松浦啓一氏(フグ目分類の第一人者)は、観察結果および採集した標本を基に詳しく調べ、新種であると確信して論文を書かれていた。
 
 
 
 
 
 
 
新種フグの論文の一部
イメージ 3
そしてその論文が9月6日付けで日本魚類学会の英文誌 Ichthyological Research  にオンライン出版された。最近はオンライン出版の新種論文も認められるという。印刷媒体は来年4月の予定。
松浦氏が観察してから2年だが、標本採集からはたったの3ヶ月というスピードぶりだ。
 
 
 
 
 
生態写真も掲載されている
イメージ 4学名は Torquigener albomaculosus で、
       (本来学名は斜体なのだが、できなかった)
標準和名は「アマミホシゾラフグ」。奄美にちなんだ夢のある名前にしようと考えていたそうで、体にある多数の白点を奄美の夜空に散らばる星になぞったとのこと。
ぼくが提供した生態写真も6点掲載されている。近いうちに他の海域からも、同種が発見されることだろう。