新種記載の論文
昨年4月に奄美を訪れた際、アマミホシゾラフグが生息する海域にいたモヨウフグのようなフグを、ガイドさんは未記載種らしいと教えてくれた。これが今回新種記載されたフグで、確かにモヨウフグやサザナミフグと模様が異なる。スジがたくさんあるのに因み、標準和名はタスジフグと命名された。すでに標本がいくつかあったお陰で、奄美のタスジフグは命びろいした。
論文より。右上が奄美で右下が紅海
論文によると、生息地は前述の沖縄、九州の他に水中写真の記録ではフィリピン、紅海、アフリカ東岸となっている。また、論文に載っている宮崎県の個体の大きさは116mmとあり、未成魚だからか、模様が若干違っている(写真左b,c)。
エビにクリーニングされるタスジフグ
奄美に生息しているタスジフグは大きさ約40cmで、昨年春に出現した。こんな大きなフグがいきなり出現したとは考えにくいので、幼魚期に現れたもののモヨウフグやサザナミフグと混同されていたに違いない。今のところ1個体しか確認できていないが、この先どうなるのだろうか。