大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

SEA&SEAの想い出(1)

水中撮影機材メーカーの「SEASEA」が、昨年「フィッシュアイ」に吸収合併され、50年の歴史に幕を閉じた。とはいえ、水中撮影機材総合商社「フィッシュアイ」は、これまで培ってきた「SEASEA」の技術を継承し、ブランド名は残すという。

SEASEA」の創業は1972年で、以来、水中撮影業界を牽引してきた。水中撮影を親しむ者は、プロ・アマ問わず、かかわりがあった。そんな「SEASEA」を振り返ってみたい。雑誌に広告が出るようになったのは1975年ごろで、水中ストロボやマクロリング、ブロニカのハウジングなどが載っていた。

『ダイビングワールド』創刊号(19755月号)の中の広告

 

当時ストロボが欲しくて、新宿区の西落合のSEA&SEAまで買いに行った。広告に載っているYELLOWSUB150YS-150)で、99000円だった。材質は金属のアルミ合金で、大きいうえに重たい。水中重量を軽減するため、空洞を広くしたからだ。しかし、それまで使っていたフラッシュガンと比べるとチャージが速いし、コストパフォーマンスも高く、うれしいことばかりだった。

80年に入るとSEASEAは埼玉県川口に移転し、ニュータイプYS-150を発売した。今度の材質は合成樹脂で軽いが、大きさは金属製と同じ。当然浮力がつきすぎ、解消するために鉛の重りを入れるという理不尽なシステム。バカバカしいが、性能は良いので使わざるを得なかった。結局2台購入した。

SEASEAの広告(海の世界・76年)右が金属製のYS-150とニュータイプ

 

1986年のある日、SEASEAから沖縄で撮影した魚の写真を数点、広告用に貸してほしいと連絡があった。後に那覇空港のロビーの電飾看板に使用したことを知った。8点のうち4点がぼくの写真だ。このときのギャラの代わりに、交換条件をお願いした。

那覇空港の電飾看板(1986年)

 

それは、知人からオリンパスOM用のSEASEA製中古ハウジングをもらったが、コンタックスが入りそうなので、中を改造してほしいとお願いしたのだ。ほぼ問題なかったが、レンズのピント合わせ用のギアだけは新たに作る必要があり、大変だったようだ。

コンタックス139を入れたオリンパス用ハウジング(1986年)

 

SEASEAの社長とは、催しなどいろいろな場面で会うことが多くなり、その度に製品に対しての願望を伝えたことで、アドバイザー的な役割を依頼されることになった。YS-150の問題も伝えた他、個人的にはどの製品も小型・軽量が理想という話もした。

8810月、SEASEAから新しいストロボが送られてきた。YS-200で、YS-150より小型・軽量のうえ、性能アップしている。どうやらかかわりのあるプロの写真家に配ったらしい。

当時はほぼ理想に近い水中ストロボのYS-200