イカの繁殖期が来た。沖縄などのサンゴ礁域でよく見られるコブシメは、体内に甲羅のような甲あるのでコウイカの仲間でコブシメ科に属す。腕を伸ばすと大きさが70cmほどになる、大型のイカだ。沖縄では3~5月が繁殖期で、この時期になると産卵場所にやって来る。ちなみに奄美は水温の関係か、繁殖期は約1か月後ろにずれる。
産卵場所に集まってきたコブシメ(3月、座間味)
オスが数尾のメスを従えていることが多い。オスは体に縞模様があり、ヒレに縁取りが入っているのが特徴。
左がオスで右がメス(座間味)
産卵はサンゴの隙間にするが、サンゴの種類はエリアによって異なる。座間味ではウスサザナミサンゴやユビエダハマサンゴが多い。
ウスサザナミサンゴに産卵中(座間味)
卵は直径2.5cmくらいで、サンゴの奥に産む。流れ出ないためと、外敵に食べられないようにするためだ。約50日後にふ化する。
産みつけられた卵(座間味)
メスは時間をかけて産卵を何度も行う。その間に交接も行われるが、あぶれオスがメスを奪いにやって来ることもあり、そうするとオス同士の争いになる。体を大きくして縞模様も見せ、にらみ合いをする。場合によってはぶつかり合うことも。
オス同士の争い。縞模様を強調して威嚇する(座間味)
あぶれオスを追いやったオスは、メスに対して交接をする。腕と腕を絡めて、精子が入ったカプセル状のものをメスに渡すといわれている。おそらく卵を産む際に受精するのだろう。
交接するコブシメと、ダイバー(6月、奄美)