大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

昇格!?トンガリサカタザメ

魚類の科名や属名は変わることがある。ブダイ科がベラ科になったのは記憶に新しい。変わることが多いのは属名で、新種記載されてから変更になったものは命名者をカッコでくくる決まりになっている(学名に命名者が記されている場合)。


小学館の図鑑NEO 魚』('156月発刊)                                                                  
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目(もく)はめったに変わらないが、ここ45年でいくつか変わった。カサゴ目がスズキ目に吸収されて消滅したり…。
そしてトンガリサカタザメはこれまでエイ目(図鑑によってはガンギエイ目)だったが、めでたく(?)トンガリサカタザメ目に昇格した。







トンガリサカタザメ                                                             
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これでトンガリサカタザメは、トンガリサカタザメ目トンガリサカタザメ科(以前はサカタザメ科)、トンガリサカタザメ属になった。ちなみに同科は日本ではシノノメサカタザメがいる。
今月出版した写真集『奄美 生命の鼓動』の中にもトンガリサカタザメを掲載している。奄美では何度か出会ったが、警戒心がとても強いので撮影は大変だった。




根を回り込んで接近
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トンガリサカタザメが出現する場所は決まっていて、嘉鉄の水深13mの砂地。といってもそばに背が低い根があり、それに隠れるように着底する。後ろ向きであれば根に隠れながら接近できるが、そうでないときは気配を察しただけで逃げてしまう。2尾いたこともあったが、運悪くこちら向きだったのですぐに泳ぎ出してしまった。





砂煙を上げて逃げる
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一度だけいつもより約40m手前の砂地に着底していたことがあった。幸いにも被写体との間にダラダラ連なる50cmほどの高さの根があったので、なんとか近寄れた。2枚目の写真を撮った直後、砂煙を上げて去って行った。トンガリサカタザメはホンソメワケベラのクリーニングを受けに来ていたのだが、遭遇したのは6月ばかりなので、それ以外の目的があるのかもしれない。