大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

テレビで3か所の海中 

12/10(日)のテレビ番組で、3か所も海中シーンがあった。

最初はNHK「小さな旅 荒波を超えて~北海道 厚岸町~」。潜水夫が潜降するシーンから始まった。厚岸では60年前から独特の潜水漁が行われている。ヘルメット潜水でのウニ漁だ。潮流が速いところでも漁ができるのがヘルメット潜水の特徴でもある。

ヘルメット潜水でウニ漁をする漁師

 

2年前に北海道東部で赤潮が発生。厚岸でもエゾバフンウニや定置網のサケが大きな被害を受けた。その後ウニの天敵のヒトデを除去したり、稚ウニを放流したりした結果、徐々に回復。それでもウニの身は少ないため、取ってはエサの昆布が豊富な海域に放流しているという。こうした努力は近々実を結ぶに違いない。

2年前の厚岸の海岸はウニの殻だらけ

 

二つ目はNTVの「ザ!鉄腕!ダッシュ!!」。クマノミの写真を貸していたので、チェックのために見た。メンバーの目的は館山の伊戸でサメの大群を見るためだが、その前に黒い体色のクマノミに出会った。いわゆる小笠原タイプで、地域による色彩変異を比較するため、静止画で出した。分け方に問題があると感じたり、短い時間にいろいろ詰め込むのは、いかにも民放らしいと思った。

地域によるクマノミの色彩変異

 

メインはドチザメの大群。以前、少し離れた場所の定置網にドチザメも入って魚を食べたり、傷つけたりしたため、漁業者とダイビングサービスがとった対策は、離れた場所でドチザメに餌付けを続けて移動させることだった。その結果、サメのトルネードが見られるポイントとして有名になり、定置網の被害もなくなった。まさに一挙両得。

辺り一面ドチザメだらけ

 

三つめはNTV「世界の果てまで イッテQ!」。オーシャンズ金子こと金子貴俊がメキシコのカリフォルニア半島沖で「イワシパニック」を狙う。イワシの大群が捕食者に囲まれると、群れの中へ中へと入るため、球状になる。これをベイトボールとかフィッシュボールという。南アフリカでも「サーディンラン」という、イワシと捕食者との攻防があるが、捕食者の顔ぶれが異なるらしい。

ドローンから撮ったベイトボール

 

カリフォルニアではシイラやマカジキなども加わるという。確かにどちらも画面に出てきた。捕食されてイワシが少なくなると、何かに頼りたくなって人間に付くという現象も映っていた。「イワシパニック」の情報提供者&コーディネーターは水中写真家の越智隆治だ。瘦せ細って画面に出ていた。

1日で3か所の海に潜ったような気になり、楽しかった。

マカジキが突っ込んできた。興奮色になっている