大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

狭いとこ大好き!(その2)

伊豆周辺の岩場にはカイメンが多い。特に筒状のザラカイメンがよく見られ、中に魚が入っている場合がある。このザラカイメンにはマツバスズメダイイソカサゴが入っていて、とても窮屈な感じだ。

マツバスズメダイイソカサゴ(富戸)

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ウツボ科のハナヒゲウツボは、全長約1.2mになる。高知県以南の西部太平洋、インド洋に分布している。単独でいる場合がほとんどで、巣穴の大きさは個体の太さとほぼ同じ。まったく余裕がない。稀に1つの穴から2尾が顔を出していることがある。2尾のときも巣穴の大きさはギリギリ。やはり狭いとこが好きなのだろう。

シェアルームのハナヒゲウツボ奄美

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海底に落ちていた空き瓶。中に小さなタコが入っていた。もともとタコは狭いところが好きなので、その習性を利用したのがタコ壺漁だ。空き瓶を隠れ家にしたつもりでも、見えてますけど…。

ガラスの空き瓶に入っているタコ(富戸)

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ウツボ科のウツボは全長約80cmになる。琉球列島を除く南日本、台湾に分布している。岩穴に生息していることが多いが、この個体は特に狭いところが好きなようだ。体をどのように畳んでいるのだろう。柔軟性豊かで羨ましい。

とにかく体が柔らかいウツボ伊豆大島

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ニザダイ科のナンヨウハギは全長約25cmに達し、高知県以南の西部太平洋、インド洋に分布する。成魚は遊泳力があるのでいざとなったら逃げるが、幼魚や若魚はサンゴの隙間に隠れる。通常は注意深く撮影するのだが、隠れる習性も記録したくて撮ったのがこの写真。かなり窮屈な態勢でいた。「お前のせいだ!」という声が聞こえた気がした。

サンゴに隠れたナンヨウハギの若魚(座間味)

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