大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

体色も住みかも多様なアオサハギ

カワハギ科のアオサハギは全長10cmになるらしいが、出会うのは大半が5cm前後。神奈川県以南~長崎県の太平洋岸に分布する。岩礁域の付着生物のそばにいることが多い。体は丸みを帯び、腹部を少し膨らませることができる。体色・斑紋は生息環境に左右されるようで、個体によってもさまざま。

ウミトサカのそばにいるアオサハギ(大瀬崎)f:id:youjiuo:20210909105946j:plain

 

ヤギの仲間のそばにいることもある。この個体は黄色味が強い。

ヤギの仲間を住みかにする、黄色っぽいアオサハギ(柏島

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海藻の中にいることもあるらしいが、この個体は海藻もない砂地にいた。体色も明るい茶色で、白い斑点がある。尾ビレを曲げているので、魚らしさを隠して身を守っているのだろう。

珍しく砂地にいたアオサハギ(大瀬崎)

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幼魚がガンガゼのトゲの間にいた。体が丸く、スーッと移動するので小さな風船ようだ。体色は白いので目立ってしまうが、ガンガゼの中なら安心。

ガンガゼのトゲの間にいた約3cmの幼魚(錦江湾

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鮮やかなウミトサカのそばに、同じ科のアミメハギと一緒にいた。縞模様が少し出ている。繁殖期には体色が青っぽくなって縞模様をはっきりさせる婚姻色になるようだが、残念ながらまだその姿は見ていない。ぜひ拝見したいものだ。

ウミトサカのそばにいたアオサハギとアミメハギ柏島

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