大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

パンダチョウチョウウオ

チョウチョウウオ科のクラカケチョウチョウウオは、伊豆半島以南の西部太平洋に分布している。サンゴ礁域にペアでいることが多い。サンゴのポリプ、ゴカイ類、小型の甲殻類などを食べている。全長20cmに達する。
クラカケチョウチョウウオ(ラジャアンパット)

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本州沿岸で本種が確認されたのは幼魚のみ。成魚も生息数は多くない。昔、西表島で見たことがあり、日本では八重山諸島あたりにしかいないのだろうと思っていた。ところが、沖縄の瀬底島で出会った。八重山以外にも生息していることに驚いたのを今でも覚えている。
クラカケチョウチョウウオ(06年、瀬底島)

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顔の模様がパンダに似ていることから、英名はパンダバタフライフィッシュと付けられている。
パンダに似た斑紋(コモド)

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幼魚は図鑑にも載ってないので、魚類写真資料データベースで調べたら、目を通る黒帯はつながっているうえ、背ビレ後方に黒斑があり、トゲチョウチョウウオの幼魚そっくりだった。水槽写真だったので、やはりダイバーが出会う確率はかなり低いようだ。
クラカケチョウチョウウオの正面顔(バリ)

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本種はサンゴやヤギ類、岩陰などでじっとしていることが多い。のんびりしているパンダ似の顔を見ると、ほのぼのとした気持ちになる。
ほのぼの系チョウチョウウオ(ラジャアンパット)

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