大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

マンタの個体識別

110日発売の『DIVER2月号の巻頭特集は、ニューカレドニア。その中で、ニューカレドニアで見られるマンタの「マンタ名鑑」というのが載っていた。



DIVER』の「マンタ名鑑」
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マンタは腹側の模様が個体によって異なるため、識別可能。「マンタ名鑑」には、<マンタトラスト>(保護を目的に世界のマンタを個体識別し、管理している非営利団体)に登録されているヌメア海域の12個体が紹介されている。名前と性別も書かれているので、過去の写真と見比べてみた。






アカイと名付けられた個体(オス)
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ニューカレドニアには45回行っているが、マンタを撮影したのは9年前のとき。ニューカレドニアで遭遇するのはブラックマンタが多い。このときは90%くらいがブラックだった。









たぶんマロウアケ(オス)
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写真を見てみると、腹の模様がきちんと写ってるのは意外に少ないことがわかった。模様がわかるのは、たまたま上を通ったので撮れたのだ。また、撮るアングルによって模様も微妙に変わって見える。








アノアノアのようだ(オス)                                              
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何気なく見ているマンタの模様も、科学的な観点に立って見るとかなり価値があることがわかる。しかし、「個体識別」という目的意識を持たないと、そう簡単には撮れない。
今回模様がわかったのは3個体で、いずれも登録されていた。








ニューカレはブラックマンタが多い
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個体識別され<マンタトラスト>に登録済のマンタは、行動範囲や出現時期が把握できる。これはダイバーにとってはとてもありがたいことだ。
10年前にマンタは「オニイトマキエイ」と「ナンヨウマンタ」の2種に分かれたが、見分けるポイントは模様なので、ブラックマンタはわかりにくい。