大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

アイゴについて

アイゴ科は日本に13種分布している。ほとんどはサンゴ礁域に生息しているが、アイゴだけが温帯域に適応した種だ。分布も青森以南となっている。


アイゴ(81年、済州島

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昔の図鑑は、青森以南~九州(琉球列島は除く)と記されていた。しかし、シモフリアイゴがアイゴの地域変異と判明し、現在では琉球列島も分布に入っている。アイゴを初めて見たのは韓国の済州島で、ダイビング誌の初取材のときだった。








地域変異(?)のアイゴ(奄美                                           

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アイゴが琉球列島にもいるというが、出会った覚えはない。他のアイゴ類はたくさんいるのだが。奄美10数年前にそれらしき魚に出会って撮ったことがある。おそらくシモフリアイゴといわれていたタイプだろう。









黄色味が強いアイゴ(大瀬崎)
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アイゴは意外に警戒心が強いので、出会ってもきちんと確認できなかった。撮影できたのは94年で、場所は大瀬崎だった。アイゴの体色は薄い茶色なのだが、ずいぶん黄色味が強いと感じた。









3cmの幼魚(玄海海中公園)

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ほとんどの魚類は卵からふ化すると浮遊生活をする。アイゴも例外ではない。全長2cmくらいまでプランクトンを食べながら浮遊生活をし、その後底生生活に移行して糸状藻類を食べるようになる。









岩壁を移動する幼魚の大群(富戸)
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底生生活に移行するとき、大群で浅瀬に来ることが多い。沖縄の「スク」と同じだ。スクはハナアイゴやアミアイゴの幼魚で、やはり食性が変わる直前、初夏から夏の大潮時に海岸へ来遊する。伊豆では秋に幼魚の大群が見られる。