30年くらい前、一躍人気者になったフグがいた。慶良間のニシハマというポイントのサザナミフグで、餌づけによって人間を恐れなくなったのだ。
ただそれだけではなく、ダイバーを見つけると愛くるしい表情で近寄ってくるため、たちまち話題になって「ポンタ」と名付けられた。
ポンタ(88年、座間味)
「ポンタ」はダイビング雑誌に何度も載ったり、多くのカメラマンの被写体になるなどした。フグの中では最もレンズを向けられた個体だろう。約15年我々ダイバーを楽しませたのち、いつしか姿を見せなくなった。
約8cmの幼魚(八丈)
![イメージ 3](https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/y/youjiuo/20190914/20190914093128.jpg)
幼魚は伊豆半島や伊豆諸島によく出現する。幼魚期は茶色い体に白い斑点がある。
2000年代初頭、座間味ではオニヒトデが大量発生した。地元のダイバーは見つける度にナイフで退治した。内臓は毒があるのか食べる魚はいなかったが、モヨウフグとサザナミフグはむさぼるように食べ、ダイバーの後をつけるようになった。
緑の絨毯で休むサザナミフグ(奄美)
サザナミフグの生息場所は転石帯で、海底でじっとしていることもある。そんなときは暗色のまだら模様が出る。
2月の奄美は水温が低くなるため、砂地に藻が繁茂する。めったに見られない光景なので撮影しながら進むと、サザナミフグが休んでいた。