大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

オウゴンニジギンポの生態

魚の和名は、体色や模様を由来にしたものが多い。しかし中には、どうして?と思うような和名もある。オウゴンニジギンポもそんな魚で、「黄金」とはちょっと違う。


巣穴から顔を出すオウゴンニジギンポ                                             

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それはさておき、イソギンポ科ヒゲニジギンポ属の本種は遊泳するタイプで巣穴を持つ。同属は毒牙があることで天敵は少ないと考えられている。










大きさを比べる側面誇示
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縄張り争いがたまに見られる。にらみ合ったり、すれ違う態勢で体の大きさを比べる「側面誇示」をしたり、それでも決着がつかないと激しくぶつかり合うこともある。










群がるのはどういう意味か                                             

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そうかと思えば10尾前後で群がっていることもある。











産卵に巣穴へ入ろうとするメス(左)

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奄美での繁殖期は春から初夏で、オスがトリッキーな動きでメスを自分の巣穴へと誘導する。巣穴に着くと先にオスが入って位置を示す。そして産卵準備ができたメスと交代し産卵。産み終わったメスとまた交代して受精させる。外見では区別がつかないが、繁殖期はメスの腹部でわかる。







フィジーのオウゴンニジギンポ
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実はフィジーに全身黄色のギンポがいる。オウゴンニジギンポの別亜種で、カナリーブレニーという。昔から観賞魚として日本に輸入されていた。カナリーブレニーなら「黄金ニジギンポ」の名にピッタリだ。