大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

キツネベラとヒレグロベラ(2)

ヒレグロベラはキツネベラとはまったく逆。慶良間や奄美で成魚は普通に見られるものの、幼魚はめったに見られない。


ヒレグロベラの幼魚(水納島

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初めてヒレグロベラの幼魚に出会って撮影できたのは、水納島だった。全長約2cmととても小さく、最初はキツネベラベかと思った。しかし尾柄部にも黒い帯があるので、違うということがわかった。









全長約4cmの幼魚(奄美
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奄美でも一度幼魚に出会った。体の黒い帯は2本で、腹ビレも黒いのが本種の特徴。












全長約6cmの幼魚(慶良間)
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成長するにしたがい、後ろの黒帯が徐々に消えてくる。と同時に体の色や模様が成魚のそれに似てくる。











ヒレグロベラの成魚(慶良間)
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成魚になると黒い帯は斜めになり、尾ビレの下側先端まで続く。












 婚姻色でアピールするオス(慶良間)                                                                

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ヒレグロベラのオスとメスはふだん見分けがつかないが、繁殖期になるとわかる。慶良間での繁殖期は冬で、産卵前にオスは顔の縞模様をはっきりさせ、腹部を白くしてメスにアピールする。このときふだんは黒い腹ビレが、白っぽくなるのを写真で知った。