大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

続・完璧なそっくりさん

よく知られている擬態種としてニセクロスギンポを前回取り上げたが、今回はノコギリハギ。


右下がシマキンチャクフグで他の2尾はノコギリハギ     
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いうまでもなくノコギリハギは、毒を持っているシマキンチャクフグにそっくりなために恩恵を受けている。ひと目見ただけでは見分けがつかない。この写真には両種いるがおわかりだろうか。








体を膨らませたノコギリハギのメス
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ノコギリハギはオスとメスで若干違いがある。メスだけならば擬態種の1位になること間違いない。体を膨らますことができようで、そうすると本当にそっくり。









ノコギリハギのオスとシマキンチャクフグ
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シマキンチャクフグとノコギリハギの違いは、背ビレと尻ビレの大きさ。フグは小さい。また、ノコギリハギの頭部には第一背ビレのトゲがあるが、フグにはない。さらにノコギリハギのオスの尾柄部にはトゲがあるのも特徴。








婚姻色で求愛するオス
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ノコギリハギのオスは体色をよく変化させる。特に求愛の際は婚姻色になり、シマキンチャクフグとはほど遠くなる。オス同士の縄張り争いのときも同じような体色に変化する。








夜のノコギリハギ
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昼行性の魚は夜になると岩陰やサンゴの隙間で眠ることが多い。ノコギリハギはちょっと変わっている。サンゴの小さな突起をくわえて眠るのだ。このような眠り方は一部のカワハギ類だけが行う。流されないためらしい。