大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

謎多きベニオチョウチョウウオ

チョウチョウウオ科は日本に約50種分布している。とはいえ、そう簡単に見られない種もけっこういる。


ベニオチョウチョウウオ(フィジー

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ベニオチョウチョウウオも日本では稀。分布の中心はタヒチやフィジーミクロネシアグレートバリアリーフなどで、日本は端にあたるためだ。




 






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ベニオチョウチョウウオの特徴は体側のくの字模様と、ぼやけた額の黒い斑紋だ。しかし、この図鑑『ANGELFISHES BUTTERFLYFISHES』のように額の斑紋が白縁に囲まれた黒斑のタイプもいる。この図鑑ではバリエーション、つまり地域変異としている。








左がPNG、右がモーリシャスで撮影
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額の斑紋がはっきりしたタイプは、パプアニューギニアPNG)で撮影したことがある。またインド洋のモルディブモーリシャスにも同タイプのものが生息しているが、インド洋のものは以前マダカスカルバタフライフィッシュといわれていた種だ。なぜPNGのものは近い海域のものと違い、遠く離れたインド洋のものと同じタイプなのだろうか。






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奄美大島ではずいぶん前('98年前後)、二つのポイントに1尾ずつ居ついていた。近縁種のアミメチョウチョウウオと一緒に行動していることが多かった。


'95年に三宅島でアミメチョウチョウウオを撮影した。だがよく見ると、体側の模様が微妙にベニオチョウに似ている。撮影当初はマダカスカルバタフライかと思ったのだが…。もしかしたらベニオチョウチョウウオとアミメチョウチョウウオの雑種なのだろうか。

                                           (下の写真) 

                                
                                     
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