大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

作品づくりのテーマについて

先日シニアダイバーズクラブ(SDC)の水中映像発表会があった。そのことについては前に書いた。それぞれテーマを決めて作品づくりをしていて感心したが、テーマを絞り過ぎると苦しくなることもある。 
 
 
ヤギ類とアカマツカサ。これだけでは定位置を説明できない
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Fさんは、魚のお気に入りの居場所をテーマにした。タイトルは「定位置」。ギンポの巣穴やガラスハゼが住むムチカラマツ、デバスズメダイが隠れるサンゴなども定位置といえるが、当たり前すぎて新鮮味に欠ける。Fさんはカエルアンコウが移動して岩陰に落ち着いたところを定位置としたが、ちょっと無理があったと感じた。
 
 
 
 
 
カイメンの中のベニカエルアンコウ
イメージ 5「定位置」をどう表現できるか、自分なりに考えてみた。ベニカエルアンコウはカイメンのそばや中にいることが多いので、定位置といえる。ただ1枚だけでは、たまたま入ったと思う人もいる。そこで体の位置が異なるカットで時間経過を表現し、同じ場所に戻ってきたと思わせることができる。                    
 
                                                                                                                            
   
 
 
 
 
        
サンゴに身を寄せるウロコマツカサ
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すり鉢状のサンゴのところに、ウロコマツカサが身を寄せるようにしていた。コモドのダイブクルーズで撮ったものだ。このときは2クルーズ続けて乗船したので、翌週も同じポイントに潜った。ウロコマツカサが同じサンゴに寄り添っていた。
 
 
 
 
 
 
 
 
アカハタ。2年後も同じヤギに(左は'07年で右は'09年)
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慶良間の阿嘉島の某ポイントでは、アカハタがヤギに乗っていることがある。外洋に面しているので穏やかなときしか行けないが、行くと8割くらいの確率で乗っているのが見られる。ヤギ類が群生しているが、同じヤギの場合もあるので、定位置といえるだろう。
 
 
 
 
 
 
 
 
サンゴのてっぺんが大好きなアカメハゼ
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アカメハゼはサンゴの先端に乗る習性がある。ハゼなりにいい場所があるようで、奪い合いになることも。静止画では難しいので、動画のカメラを固定し、ハゼが乗っているところやフレームアウトしたり、インするのを長回しすれば、定位置が表現できる。
ぼくなりの「定位置」を挙げてみたが…
時間の経過が表現できないと、定位置を説明(証明)するのは困難だと思った。