大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

水揚げされた珍魚・ベンテンウオ

深海魚のベンテンウオが定置網に入ったと、ネットのニュースで知った。水揚げされたのは28日の朝で、場所は富山湾。掲載されている写真は魚が傷んでいるものの、大きな背ビレと尻ビレが特徴ということがわかる。 
 
水揚げされたベンテンウオ
イメージ 1ベンテンウオはシマガツオ科で、外洋の水深800m前後の深海に生息するらしい。水揚げされた例も多くない。この特徴的な魚は、以前水中写真で見た覚えがある。ヒレにストロボ光が当たって、輝いて見えていたという記憶がある。
 
 
 
 
 
 
 
図鑑の一部。上がベンテンウオで、下がリュウグウノヒメ
イメージ 2その写真が載っていたのは、確かI.O.P.ダイビングニュース(伊豆海洋公園通信)だった。「日本フィッシュウォッチングクラブ」の機関誌だ。バックナンバーを調べる前に図鑑を見た。日本産魚類大図鑑(東海大学出版会)に標本写真が載っていた。
 
 
 
 
 
 
I.O.P.ダイビングニュースに掲載されたリュウグウノヒメ
イメージ 3
I.O.P.ダイビングニュースの'97年3月号に載っていたが、記憶違いだった。やはり背・尻ビレが大きい同科のリュウグウノヒメだ。
魚は違っていたが、ヒレが輝いるのは当たっていた。 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
左がベンテンウオで、右がリュウグウノヒメ
イメージ 4 ネットで別のニュースを調べていたら、ヒレが格別きれいなベンテンウオの写真があった。背ビレが口のあたりから始まっているのが特徴といえる。しかし、別のニュースでは、リュウグウノヒメをベンテンウオとして載せているものもあった。
 
 
 
 
 
 
 
 
屋久島で撮影されたベンテンウオの若魚
イメージ 5I.O.P.ダイビングニュースを見ていたら、なんとベンテンウオの水中写真もあった。'04年10月号に屋久島で撮影された若魚が載っていたのだ。背ビレがないので違う魚に見えるが、この魚には背・尻ビレが収納できる溝があるという。このときは納まっている状態らしい。魚には不思議なことがいっぱいだ。