NHK総合テレビで「新プロジェクトX ~挑戦者たち~」が始まった。第1回目(4/6)は「東京スカイツリー 天空の大工事~世界一の電波塔に挑む~」。世界一高い電波塔建設に挑む人たちの物語だ。とても感慨深く、そして懐かしく思いながら見た。というのも、以前はスカイツリーが見えるところに住んでおり、徐々に伸びてゆく姿をいつも見たり撮影していたからだ。
新プロジェクトX のタイトル
そもそも新たな電波塔が必要になったのは、東京タワーの周囲に高いビルが建ったため、電波が遮られるようになったからだ。そこで2倍の高さの塔を計画するが、予定地は東武鉄道と北十間川の間の狭い場所。設計を工夫するしかない。前代未聞のプロジェクトが始まった。五重塔に使用されている心柱を入れて地震対策をしたり、土台は三角形ながら、上に行くに従って丸くなるという設計を取り入れた。
予定地の俯瞰図。楕円が東京スカイツリーの施工範囲
着工が始まったのは2008年秋で、当初は土台の部分はフェンスに隠れていたため、何をしているかわからない状態で、近所の人が散歩ついでに見た、という感じだった。
着工が始まった(2008年11月)
工事が進み、徐々に高くなるにつれて、強風や雷などが脅威になり、幾度となく作業は中断したようだ。とはいえ、遠くからでも見える高さになると、報道もされるようになり、見物する人も次第に多くなった。
心柱の部分が公開(2010年3月) 下、だいぶ高くなった(2010年5月、駒形橋より)
2011年3月11日、東日本大震災が発生するが、スカイツリー完成間近のことだった。そのとき関係者たちは、最上階で3000トンもあるゲイン塔(電波を送受信する要)の吊り上げ作業中。突然横に5mの揺れに見舞われ、塔が倒れて死ぬんだ、と思ったと、関係者の一人は語った。
偶然にもこの日の午前、ぼくは確定申告書の提出でスカイツリー近くの本所税務署へ行き、帰りは浅草通りを歩いた。通りは行列のようになっていたので、スカイツリー効果と思って写真を撮った。
浅草通りを行く人々(2011年3月11日)
東日本大震災から1週間後、東京スカイツリーの塔自体は完成した。建設にかかわった人は述べ58万人だという。あとはすみだ水族館やソラマチなどの関連施設および周囲の整備などの工事、スカイツリーのライティングテストを行い、2012年5月22日に開業した。実は、同年5月6日に隅田川で「東京ホタル」というイベントがあり、LEDライトを点けた「ホタル」を流した。そのとき開業前にもかかわらず、スカイツリーのライティングが点灯。粋な計らいに大勢の人が感激したのを覚えている。
番組の最後に流れたテロップを見て驚いた。撮影の名が知り合いのKさんだったからだ。正確にはこの後知り合いになった。2012年6月の奄美ロケで、「潜水班」のKさんと初めて会ったのだから…。
東京ホタルの様子(2012年5月6日、駒形橋より)