大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

区別が難しいタツノオトシゴの仲間

タツノオトシゴの仲間(タツノオトシゴ亜科)は尾ビレがなく、尾部で海藻やヤギ類に巻き付くことができるのが特徴。日本には未記載種を含めると10数種分布しているが、見分け方が難しい。


ハチジョウタツ05年、沖縄・真栄田岬)

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ところで、826日のこのブログで「ジャパピグが新種に!」をアップした。その中で外国で記載されたので和名がないと書いたが、実は「ハチジョウタツ」という標準和名が付いていた。ナショジオメールマガジンでは省略されていたが、記載した学者の中に日本人も入っていた。日本の魚なのに和名がないのは変だと思って調べたのだ。それにしてもなぜ「ハチジョウ」なのだろうか。





ハナタツ西伊豆

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以前、タツノオトシゴの仲間は混同されていた。2000年代になってから整理され、それまでタツノオトシゴだとばかり思っていたものはハナタツに変わった。これは山と渓谷社の『日本の海水魚』(97年発行)にタツノオトシゴとして掲載したものと同じ個体。








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タツノオトシゴの最大の特徴は、頭部に長い出っ張りがあり、やや後ろに曲がっていること。ストックしてある写真を調べたら、その特徴があるものは見当たらなかった。この個体も何に当てはまるかわからない。









15cmの大型の種(奄美
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大きなタイプの種はオオウミウマ、クロウミウマがいるが、これも見分けるのは難しい。クロウミウマでもすべて体色は黒ではないらしい。











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ピグミーシーホースは、ずいぶん前から日本でも生息が確認されている。ぼくは2000年に座間味で初めて見た記憶がある。その後は奄美柏島などで撮影している。数年前に日本初記録の準備をしているという話を魚類学者から聞いた覚えがあるが、いまだに和名は付けられていないようだ。