大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

ピグミーシーホース最新情報

ピグミーシーホースとは、大きさが2cm前後のタツノオトシゴの仲間のこと。サンゴの仲間のヤギ類を宿主にし、カムフラージュが上手な魚の代表ともいえる。

最初に発見されたのは約50年前で Hippocampus bargibantiという学名で1970年に新種記載されたが、ダイバーに知られるようになったきっかっけは90年代後半にダイビング雑誌に掲載されたから。日本でも探すようになり、98年ごろに見つかっている。
H.bargibanti 。日本でも20年前に見つかっているが、まだ和名はない(座間味、00年)

f:id:youjiuo:20200527133523j:plain

 

5月26日に配信されたナショナルジオグラフィックメールマガジンに「タツノオトシゴの新種 まさかのアフリカで発見」という記事があった。南アフリカの沿岸でインストラクターのサバンナ・ナル・オリビエさんが17年に発見。その後新種ではないかと思った学者が採集し、20年5月19日付の学術誌で新種記載した。学名はH.nalu で、種小名は発見者への献名。特徴は背中の1対のトゲが尖っていることとか。インド洋では初。
新種の「アフリカンピグミーシーホース」(メルマガより)

f:id:youjiuo:20200527133543j:plain

 

また、これまでインドネシアなどの熱帯海域にしか分布していなかったピグミーの2種が、鹿児島大学が行った沖永良部島での調査で発見され、日本初記録種として和名が付けられた。その1種がH.denise で、カクレタツノコが標準和名。もう1種のH.ponthi はユリタツノコと付けられた。
日本初記録のカクレタツノコ(デラワン)

f:id:youjiuo:20200527151248j:plain


このところピグミーシーホースは調査・研究が進んでいる。インドネシアのデラワンに於いて、90年代後半にガイドの大西サトミんが発見したピグミーは「サトミピグミーシーホース」として08年に新種記載された。また、ジャパピグという愛称で親しまれたピグミ-は、ハチジョウタツという和名で18年に新種記載された。小さいので発見されるのが遅れた分、これからどんどん新種が見つかることだろう。
ハチジョウタツ(沖縄・真栄田岬、05年)

f:id:youjiuo:20200527133606j:plain